ベーコン

燻製の豚肉です

ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOWー光の破片をつかまえる」

自分が出演した演奏会翌日にとった代休使って行ったので、頭も身体もボロボロのゾンビ状態であった。

コロナ禍でのトリエンナーレということで、与えられる学びではなく自らの学びを促すような作品群/解説が印象的。今回のイベントにおける作品の切り口は5種類あり、「展示の見方」リーフレットには、作品が5種類のうちどの切り口に当てはまるかを考えさせる誘導になっていた。キャプションもやや複雑で、「作家の言葉」「選者の言葉(ポエム)」「作品そのものの解説」と短い3章立てになっている。切り口(これはセレクト上のコンセプト=イベントコンセプトともなる)を提示して考えさせ、また作品そのものにも向き合う仕組み。これがよくできているのだがかなりしんどい。

まず切り口が多いのである。5つは多い。切り口ABに当てはまる作品とDEに当てはまる作品が結構全然ちがう。結構全然ちがう作品どうしは、見て考えたあと、それぞれの展示における一貫性を見つけるのが難しい。また、キャプションは前述のようにとりとめのない情報量が多いので、どうしても作品それぞれを見ざるを得ない。鑑賞体験としては言うとおりにやれば濃くなるのだが、「横浜トリエンナーレ」という展示を見た気がしないというか...(それを含めて「横浜トリエンナーレという意図もあるのだろうが)。どちらかというとワークショップのように仕立てたほうがよかったのかもなと思った。「そこそこの味わい」を感じるにもそれまでに考えて覚えることが多くて。
そんな訳でゾンビ鑑賞者にはわりとしんどかった。

あと、なんかの大手メディアに掲載された?のか、普段の横浜美術館の客層と全然違ったのが印象的。もっとサブカルクソ野郎みたいなやつらばっかりだったのが、いつもよりギャルとヤンキーが多かった(偏見)。キャプション類完全スルーも散見された。別にそれはそれでいいと思うけど、展示作り手の立場になると切ない気持ちになってしまう...。
アートイベントの立場にはいろいろあって、今回のように学び性を強めたものもあれば、単に町おこしイベントみたいになってるものもあったりする。なんでもいいんだけど、地域住民ほか鑑賞者が見たいもの・知りたいことと少しでも合致しているといいなと思う。