ベーコン

燻製の豚肉です

人生が眠いな、と思ったら

眠ることがめっきり下手になった。加齢のせいだと放っておいたらかなりしんどくなったが、医療の力を借りて快適に生活できるようになった(根治はしていない)ので、眠れない人はさっさと医者に行ったほうがいいぞ、という気持ちで書く。

早起きが得意になった

もともと習慣的に飲酒していて、酒を飲んだ日は眠りが浅いから翌日に早起きできるな〜などと思っていたものの、27-28歳あたりから飲酒をせずとも苦手だった早起きができるようになった。特に土日は趣味であるオーケストラの練習に向かうために早朝から稼働することが多く、かつ練習会場の開錠手配の係になっているなど「寝坊できない」役回りだったので、学生時代に全くできなかった早起きができるようになった(なってしまった)のは良いことだと思っていた。また、これはもちろん加齢が原因の一つであり、身の回りでも同世代の友人知人が「朝すぐに目が覚めるようになった」と口々に言っていたこともあって特段の問題視はしていなかった。

人生が眠すぎる

様子がおかしくなってきたのは、2022年の8月末から9月中旬にかけてだったと思う。0時前後に就寝しても深夜2〜3時ごろに目が覚めて、その後の数時間は寝付けなくなる日が増えた。最近夜中に目が覚めるな、と思っていたら、しばらく経つと毎日のように中途覚醒する。一度起きると早朝まで眠れない。また、それと並行して、そもそも寝つくのに時間がかかる日も増えた。とはいえ、眠れなくなり始めた時期はずっと眠れないわけではなく、10日に1回程度気絶するように長時間眠れる日があり、なんとかバランスをとっている気になっていた。

寝る間を惜しんで遊んでしまうタイプではあったものの、睡眠時間が少ない日が1ヶ月ほど続くと目に見えて調子が悪くなっていった。仕事をしている間に眠くなることももちろんだが、精神的な不調が出てきたのがつらかった。眠気を感じていなくても作業に集中できない、イライラして誰でもいいから殴りたい、不安感が強くちょっとしたことでくよくよするなど、気持ちの舵取りが思うようにできなくなった(ただ、精神的な不調に関しては睡眠不足が原因である、という自覚がなく、それがなおさらつらかった)。次第に、眠っている短い時間以外は常時眠くなっていった。加えて、誰でもいいから殴りたい気持ちと落ち込む気持ちが1時間おきで交互にやってきた。また、昨日会議で話したことが思い出せなくなるなど、物覚えが格段に悪くなった。悲しくなったりイライラしたりしながら、「眠い...眠い...」とずっと思っていた。生きるのが眠かった。

心療内科へ行く

つらさがピークになったころ、もともと温厚な私がこんなに人のことを殴りたいのはなんかおかしい、と思い心療内科を探して予約。初めて心療内科に通院したが、その時は人生が眠すぎることもあり緊張しないで済んだのはよかった。うまく眠れないことを主訴として予約したので、初診では睡眠の状況や数ヶ月のストレス状況を聞かれた(と思うが、眠くて記憶が曖昧である)。当時、仕事は落ち着いている時期で、正直なところ睡眠トラブルの原因と考えられうるストレス源は思い当たらなかった。強いて言えば眠れないことがストレスだったのと、眠れるようになっても人のことを殴りたかったらどうしようという不安はあった。診療で、デエビゴという薬が処方された。依存性がなくよいらしい。薬はかなりよく効き、飲むと30分ほどでズン…と眠れた。2週間ほど飲み続けて眠ると精神的な不調はほぼなくなり、集中力や記憶力もマシになった。人のことを殴りたい気持ちも概ねなくなった(それとは関係なく殴りたい奴の1人や2人は人生につきもの)。

薬との付き合い方

薬を飲むとよく眠れたが、付き合うには(私は)コツが必要だった。調子が良くなってくると規定の処方量では多すぎて、朝起きるのがかなりしんどくなってしまう時があった。医師に相談の上、薬を半分にして改善されたが、そのうち半分でも効きすぎてしまうようになったので(医師に相談の上で)服薬自体をやめた。初めて服薬してから今までおよそ1年半ほどになるが、その間は眠れなくなってきたらしばらく服薬し、眠れるようになったらやめる......というのを繰り返している。だいたい1週間ほど服薬し続けると眠れるようになるっぽい。すると数週間〜数ヶ月は服薬なしで大丈夫。ここ1〜2ヶ月ほどは仕事が忙しく、眠れない・夜中に起きることが増えているので、そろそろ薬をもらいに行かなければ......と思っている。

その他

・通院の途中で、主治医が退職して変更になった。変更前(初診を担当してくれた)の主治医は、生活における悩みがないかを懇切丁寧に聞き出そうとしてくれていたが、前述の通りあまり深刻っぽいストレス源はなく、申し訳ね〜と思っていた。

・そうした診療が適切に引き継がれていたのか(?)、二人目の主治医は処方箋出してすぐ終わりの診療スタイルとなった。平日の仕事の合間に通院することが多いので個人的にはありがたい。この医師の診療の初回には、「生活習慣をがんばってなんとかしたり、仕事をやめたりして、根本的にストレスフリーな生活にすれば眠れないことは解決するかもしれない。でも、根本的になんとかするために行動するのも結構ストレスだし、それをやっても眠れないかもしれない。だったら薬に頼ったほうが総合的にラク」という方針を説明された。この仕事をしている以上は生活習慣はある程度不規則にはなるし、なにより私は無職の才能がないので仕事をやめてブラブラするのもストレスである(転職するにも転職活動がストレス)。だったら薬飲むほうが遥かに現実的で楽で、とりあえずの選択肢も選び取ってよいのだと気が楽になった。

・眠れても不安感があり人のことを殴りたい方は、別途適切な医療機関やカウンセラーなどに相談しましょう。あと夜中にブログ書いてないで寝たほうがいい。