ベーコン

燻製の豚肉です

分離派建築界100年展 建築は芸術か/パナソニック汐留美術館

行かねば行かねばと思っていた。なぜ行きたかったかというとチラシがおしゃれだから。あとはぼちぼち建築史をちゃんとやりたくて、発破になればと思ったから。

分離派というのは、大正時代の日本建築界に現れたグループ。明治になって欧風建築を一通りやったあと、「では、日本ならではの建築はどうなっていくのか?」と建築界隈の人間は思ったそうな。その後、欧風の芸術的な建築への反発として、「建築は日用品と似たようなカテゴリで芸術ではない」という潮流が起こる。そこから"分離"し、日本建築の芸術性を模索したのが分離派だそうな。

前述の通り、建築史をやらねばマンなのでよくわかってないんだけど面白かった(最悪の感想)。建築の芸術性というのが肌感覚でわかっておらず、展示されている試行錯誤の形跡を「これが建築の芸術性を確立しようと試行錯誤している様子かあ」と思いながら観た。いい客。とはいえ、それまでの歴史とそれからの歴史を見ていけば、建築を見るときの面白がり方がわかるだろうなと思った。それを感じさせる展示で、建築初心者にやさしい丁寧なキャプションで助かった。

他おもしろポイントは、分離派が詩や彫刻、茶道などの他ジャンルのエッセンスを自身に取り込み、それを制作に生かしていたこと。私は安易に他ジャンル借用をしようとしてペラくなりがちなんだけど、ちゃんと研究すればペラくならない借用ができるんだな~それ以前に他ジャンル借用なんてやっていない業界であっても~と思った。作ることは調べること、調べることは抉ることですね。