ベーコン

燻製の豚肉です

オペラ座の怪人/劇団四季 四季劇場<秋>

劇団四季オタクをやっています。四季の会(ファンクラブみたいなもの)の会員です。四季演目の観劇は特別のごちそうでありながら日常の白ご飯みたいなものでもあるから(オタ活だから...)、すでに2回観ているのにこうして記録しようという発想がそもそもなかった。書きます。

言わずと知れたオペラ座の怪人はパリのオペラ座日本には浜松町にある)で男女があれこれする話。ヒロインのクリスティーヌはコーラスガールのひとりなのだが、オペラ座の怪人に音楽を習っているおかげで、ある演目のピンチヒッター(主役!)として大活躍する。それが、オペラ座パトロンであり彼女の幼馴染でもあるラウル子爵の目に留まり、物語が動き出す。怪人とラウル子爵がヒロインがラブ関連であれこれするんだが、その途中に音楽・舞台・芸事の道を極める厳しさも織り込まれ、舞台で舞台をテーマにするメタフィクション的なところもあり、要するにめっちゃ好きな演目なのであった。


劇団四季オペラ座はたしか2017年にKAATでロングランをやっていたのだった。当時私は前職の繁忙期ピークでボロボロになっていて、「なにかうつくしいものが見たい」と縋るような思いでチケットを譲ってもらったのであった。ボロボロだから席とかよく観ずに劇場に行ったらまさかの最前席。干からびた心には刺激が強すぎ、救われて昇天した後に四季沼にブチ落とされた。それまでも舞台が好きでいたのだが、一人の四季オタが爆誕した瞬間であった。それ以降の生活について多くは語るまい...。今回はそれ以降のオペラ座。このご時世、幕が上がっただけでもう尊い始まって数分でシャンデリアが上がって、例のオルガンのテーマが流れたところでもう泣いた。

歌詞や舞台装置やおそらくコーラスも少しずつ変わってパワーアップしていた。なによりも大きな変化はラウル役で加藤廸(かとう すすむ)さんがキャスティングされたことでしょうな。これまでラウル役は王子様っぽい、無垢に見える人が多くて―からしっかり者役の多い加藤さんがやるのが意外だったのだが―ともすると「ポッと出のボンボンが、怪人が手塩にかけて育てていたクリスティーヌを奪う」みたいに見えがちだった(私が陰の者すぎてパラノイアヒーローファントムに寄ってしまうだけなのかもしれない)。海外公演とかでもそうで、私(陰の者)はそれが普通だと思ってたんだけども、加藤さんにいい意味でそれを裏切られた。そこから「これまでと違うオペラ座(浜松町)にしたるぞ」というカンパニーの気概も見えた舞台だったな。加えて、新たなラウル像によって怪人とクリスティーヌの新たな関係性も見えたのがすごく面白かったし、改めて前回もキャスティングされていた光田さんのラウルも観たくなった。毎日オペラ座行きたい。